そもそも、Webにはなにを書けばいいのか?Part.1

私たちグーチョ・アンド・カンパニーではもう15年も企業のWebサイトを作り続けています。その15年の間には大きな変化もありました。

一番大きかった変化はスマートフォンでWebを見ることが増えたこと、それにより色々な形やサイズの画面で見ることを意識してWebサイトを作るようになったことだと思います。これについてはこれからも人々が情報を手に入れる環境はどんどん変わっていくので、それに合わせて情報を届ける手段も変わり続けるのだと思います。他にもWordPressなどのCMS(WordPressがCMSなのかという議論はここでは置いておきます)が当たり前になったことなど、いつくか大きな変化がありましたが、どんな時代でも変わらない根本のような大切なこともあるように思うのです。

会社のWebサイト(コーポレートサイト)を作るとき、何を書くか(=何を伝えるのか)というのは、Webサイトをつくる上で一番大切なことだと思います。
しかし、なぜかみなさん「こんなページ構成にしたい」と、ざっくりと書くべき情報のタイトルは考えたけれど、具体的に何を書くのかは後回しになっていることが多いようです。
自分の会社の魅力を伝えて、例えば応募してくれる学生を増やしたいとか、製品やサービスのファンを増やしたいという目的ははっきりしていますが、そのために何を書くのか(=何を伝えるのか)は、なぜか空の彼方に飛んでいってしまうのです。

そういうとき、決まって「あなたの会社の強みや他者に勝る魅力はなんですか?」という質問にはっきりと応えられません。もしもあなたの会社がこの質問に3分以内に答えられないとしたら、Webサイトをつくり直すことを考える前に、まずはこの質問に答えられるようにするべきです。
この質問への回答にも、世の中的には色々条件があるのですが、それは置いておいたとして、その会社の中の人である自分たちで、この質問への答えを用意するべきだと思っています。
私たちがお手伝いするケースでは、経営、製造、マーケティング、営業、その他関連する部門の方に集まっていただいて、ディスカッションをします。何度もディスカッションを重ねていくうちに、皆さんの中に共通の「ウチの会社はこんなに凄い」が醸成され、それを言葉で表すことができるようになります。まずは他人のチカラを借りずに、自分たちでできないかチャレンジしてみることをお勧めします。

大切なのは商品やサービスの根底にある考え方や価値観

考えていくとよく出てくるのが「お客様に合わせたきめ細やかな対応」とか「クイックレスポンス」、さらには「土日でも対応」「どこよりも安い」などです。それぞれとても魅力的だとは思いますが、誰でも同じことはやっているし、やろうと思えばすぐにできてしまうわけです。さらに、これらが本質だとすると、お客様のためならなんでもやりますという会社に見えてしまいます。裏を返せば「この会社売れてないのかな・・」と思ってしまうような残念なイメージですよね。
ここで考えなければならないのは、そういう実際にやっている「コト」や提供している「モノ」の特性を語るのではなくて、その背景にある思いや価値観を表に出すということです。
あなたの会社はどうして今の商品を売っているのですか?他のものじゃダメだったのですか?その商品を売るために会社が存在しているのですか?。。多分違うと思います。
大切で伝えるべきことは、その会社が提供しようとしている「価値」にあると思うのです。プロ用のキッチンウェアを作っている会社も、売っている会社も、プロ用のキッチンウェアを提供するということを通じて何かをしようとしているはずです。

伝えるためには語らないといけない

伝えたいことはあって、面と向かって聞かれるとうまく説明できないんだけど、でも考えていることや拘っていることはあるとか、会って話せばわかってもらえるという企業はたくさんあります。そういう企業がしのぎを削って勝負しているのがビジネスの世界です。そこにはほんの少しの甘えも許されません。
さらに、新しい生活様式が当たり前になりつつあるこれからの日本の社会では、会う前に「時間を割いて会う必要がある」と感じてくれなければ、会うことさえできません。そのためのWebサイトだと思うのです。

だからこそ、デザインとかページ構成を考える前に、本当に大切な「誰に」「なにを伝えるのか」を真剣に考えて欲しいのです。

Part.2に続きます。