ひよこパニック -第1章-
徒然なるままに、日ぐらし、PCに向かいて、
心にうつりゆくよしなしひよこを、そこはかとなく描きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。
超訳:所在無く、一日中、パソコンに向かって、
心の中に浮かんでは消えていくひよこを、あてもなく描きまくっていると、クレイジーな気持ちになってきちゃうよまったく。
(兼好法師『徒然草』インスパイア)
わたくし、ひよこの生産量日本一を自負しています。人生でこんなにたくさんのひよこを描く機会なんてそうそうない…恐らく最初で最後だと思っています。
今回は、昨年度お世話になりました皆様にお送りした、こちらの年賀状が出来上がるまでの裏話をつらつらと綴っていこうかと思います。
2017年のGUCIOのテーマは「360°」ということで、本当に異なる種類の360体のひよこを描いてインパクトのあるビジュアルを完成させよう!というアイデアが発端でとなり、ひよこ大量生産プロジェクトが始動したのです。
(※ひよこ案が採用されるまでにも、何十もの別案が…)
まず…ベースのひよこはこちら。
女性デザイナーチームで力を合わせ、なんとか無事に360体つくりあげました。(一部特別公開)
もはやひよこの外見をとどめていない謎の生物が何体か見受けられますね。きっとネタ切れ…
ところが、この案はお蔵入りになり(!)また紆余曲折あった上で、最終的に皆様の手元へお届けしたデザイン(ひよこを敷き詰めるデザイン)がようやく完成したのです。
全部同じに見えるこのひよこ達。実は一匹一匹隙間がないように隙間を微調整し、目の色や体の向き、くちばしや羽毛の色など、微妙に変化を加えています。
おそらく誰にも気づかれないだろうというところに謎のこだわりを見せるのがデザイナー根性…!
巷で目にする、一見シンプルに見えるあのデザインも、
目に見えないいくつもの工程を経て、また、誰にも気づかれないような微調整を重ねてようやく完成したものかもしれません。
GUCIOでは、今年も昨年に引き続きお客様に「最適な解決策」をしっかりご提供できるよう、大量のひよこを描き切った根性・愛情で何事にも向き合ってまいります。
(もはやお正月と呼べる時期は過ぎてしまっていますが)本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
この記事を書いたひと
みたに あかり(デザイナー)
ゆとり世代のデザイナーです。円周率はなんとか3.14。