「目標を立てましょう」の前に、考えておきたいこと

Webサイトのリニューアルの計画が進むと、「では、目標を立てましょう」という場面が来ます。
多くの場合、そこで数字が並び始めます。問い合わせを月に何件、応募を何名、コンバージョン率を何パーセント。目標と言われて、まず具体的な数値を決める。ごく自然な流れに見えますし、実際に数字はこの先プロジェクトの道しるべになります。
ただ、その数字を決める前にひとつ、確かめておきたいことがあります。

目的と指標の間にある、「なりたい姿」

ここで三つの言葉を整理してみましょう。「目的」「目標」「指標」です。似ているようで、少しずつ違います。
目的とは、「何のために、これをやるのか」。リニューアルのそもそもの理由です。目標とは、「その結果、どういう状態になりたいのか」。目的に向かって進んだ先のなりたい姿です。そして指標とは、「その状態に近づけたかを、何で測るのか」。いわゆる数字は、ここにあたります。
この三つは、一本の線でつながっています。なぜやるのか。どうなりたいのか。それを何で測るのか。この順番で、上から下へ降りてくるものです。

ところが実際には、真ん中の「どうなりたいのか」を通らずに、目的からいきなり数字へ進んでしまうことがよくあります。「採用の質を上げたい」から、一足飛びに「応募を月に二十件」へ。その間にあるはずの「どういう状態になりたいのか」——たとえば「事業に本当に共感した人が、応募者の大半を占める状態」——が、言葉にされないまま、残されてしまうのです。

「なりたい姿」がわかると、数字が頼れる道具になる

「なりたい状態」を言葉にすることで、数字の働きは大きく変わってきます。
数字は、そのなりたい状態にどれだけ近づけたかを教えてくれるものになるのです。「事業に共感した人が応募者の大半を占める状態」を目指すのであれば、見るべきは応募の総数だけではなく、応募の動機や、面接での対話の質かもしれません。なりたい状態が定まっているから、どの数字を見ればよいかが決まる。数字が意味を持ち始めるのです。

「なりたい状態(目標)」から逆算して「数字(指標)」を決めるという手順を踏むことで、もう一つ重要なことができるようになります。 それは、その数字を使って「どこまで届かなかったら、この施策から撤退するか」という基準をあらかじめ設定することができるようになるのです。私たちはこれを「撤退基準」と呼んでいます。

新しい施策を始めるとき、うまくいったときのことは考えますが、うまくいかなかったときの撤退基準を事前に決めているケースは意外と少ないものです。そのため、成果が出ないままズルズルと続けてしまったり、逆に目先の数字が少し落ちただけで慌てて方針を変えてしまったりします。「この期間でここまで届かなかったら、一度立ち止まって考え直す」という基準を設けておくことで、目先の変化に揺さぶられず、冷静な対応ができます。基準の数字が、ぶれない軸になってくれるからです。

数字を決める前に、「どうなりたいか」を言葉にする

目標を立てるとは、数字を決めることだけではありません。まず「私たちはどうなりたいのか」を自分たちの言葉で定義し、その達成度を測るために数字を決める。この『言語化 → 数値化』の順番で決めることで、数字はプロジェクトを正しく導く指標になります。
「どうなりたいか」を言葉にするのは、手間のかかる作業です。すぐにはしっくりくる言葉が見つからないかもしれません。でも、このプロセスを挟むかどうかで、同じ数字でも現場での意味合いが大きく変わります。

あなたの会社は、リニューアル後にどうなっていたいでしょうか。数字を決める前に、まずは自社の「なりたい姿」を明確な言葉に落とし込むことから始めてみましょう。


話はわかったけれど、できれば相談しながら進めたい。

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