Webサイトリニューアル時のアクセス解析の活かし方

Webサイトのリニューアルを検討する際、まず現在のアクセス解析(直帰率やページ遷移など)の調査から始めること、よくありますよね。現行サイトの動きを可視化することは、現状の課題を見つけるための親しみやすいアプローチなので、間違ってはいないと思うのですが、私たち GUCIO & Co.では、アクセス解析のデータだけに頼るのは危険だなと思っています。データは参考資料にはなりますが、それだけで新しい設計図を描くのは、少しもったいないと考えているからです。
データが持つ役割を正しく理解し、Webサイトの刷新をより確実な成果へ繋げるための「順序」について整理します。

現行サイトのデータは、「今の状態」を教えてくれるもの

現行サイトのアクセス解析から見えてくるのは、あくまで「現在のWebサイトという環境で、ユーザーがどう動いたか」という貴重なファクトです。

  • 現在の導線において、どこで迷いが生じているか
  • 現在の言葉の表現に対して、どのような反応があるか
  • 現在のWebサイトにおいて、離脱しやすいポイントはどこか

これらは、今ある箱の弱点や現在地を知るためには非常に役立ちます。しかし、これから事業を刷新し、新しい価値を市場へ届けようとしているタイミングにおいては、過去の構造に基づいたデータだけでは、未来の新しい設計図を描き切るのが難しいケースもあります。

データは「過去の答え合わせ」には最適ですが、「まだ見ぬ新しい可能性」を発見するためには、もう一歩深い視点が必要になります。

遠回りに見えても、事業と顧客を一から定義し直す楽しさ

私たちは、目の前にある数字を分析する前に、クライアント企業自身の本来の姿や事業のあり方、そしてターゲットとなる顧客像を客観的に定義し直すところから、一式すべてを考え始めます。一見すると少し遠回りのように思えるかもしれませんが、実はこのアプローチのほうが、結果として理にかなっていることが多いのです。

Webサイトを訪れる顧客の意思決定プロセスは、企業の事業戦略や市場における特長(強み)と美しく直結しているからです。

  • 自社はどのような構造的課題を解決できる存在なのか(ブランドの定義)
  • どのような状況にある顧客が、何を基準に選定しているのか(顧客理解)

この前提をまず社内で丁寧に紐解き、太いロジックの軸を確立することこそが、Webサイト刷新のより強固なスタートラインとなります。この全体像をあらかじめ描いておくことで、アクセス解析の数字を見たときにも、「なぜこのページが読まれているのか」という理由が、より深いレベルで立体的に見えてくるようになります。

「一周回って同じ答えが出る」のは良いこと

このようなプロセスでお話を進めていくと、「では、これまでのアクセス解析は無駄になってしまうのか」と思われるかもしれません。決してそういうわけではありません。
事業や顧客を一から定義し直し、どのような情報構造が最適であるかをゼロベースで徹底的に検討した結果、もし「現在のアクセス解析から得られたのと同じ課題や目標」に行き着いたのだとすれば、そのデータは自信を持って素直に受け止めてよいと考えています。

なぜなら、それは単に数字の表面を眺めて出てきた答えではなく、「事業戦略の文脈において、一周回って全部検討した結果として合致した、真に解決すべき絶対的なボトルネック」であるという、強力な裏付けになるからです。
同じ「問い合わせ導線の改善」という結論であっても、「過去の数字がそう言っているから」という理由だけで直す場合と、「未来の事業定義から逆算して、やっぱりここが鍵だよね」と納得して直す場合とでは、その後に構築されるWebサイトの言葉の深さや、成果の質には大きな差が生まれます。

数字を味方につけて、顧客の景色から逆算する

現代のマーケティングにおいて、データはなくてはならない羅針盤です。しかし、数字という過去の足跡だけでなく、「画面の向こうの顧客が、本当は何を確かめたくてそこに来ているのか」という選定の動機まで重ね合わせて初めて、データは真の価値を発揮します。
Webサイトのリニューアルという大きな変革期において大切なのは、過去のデータの修繕だけで終わらせず、自社の特長が誰にどのように認識され、どの接点で意思決定に繋がっているのかを厳密に見つめ直すことです。

数字の分析をして結論を急ぐのではなく、その結果が生まれた背景を正しく理解すること。そしてお客様と顧客のリアルな関係を理解すること。GUCIO & Co.がこのステップを大切にしているのは、それこそが結果として「ビジネスを心地よく、力強く駆動させるWebサイト」を形作る一番の近道だと信じているからです。

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