美術館巡り -北鎌倉 葉祥明美術館-

二ヶ月ほど前のことになりますが、「北鎌倉 葉祥明美術館」に行って来ました。

北鎌倉駅を出てすぐ、円覚寺を横目に、線路沿いを南東方向に歩いていくと、小さな川に行き当たります。
今度は川に沿って上流方面に歩いて行くと、途中でまるで絵本から抜け出たかのような美しい洋館が現れます。


こちらの建物内には、画家である葉祥明さんの作品がたくさん飾られています。
一階では、企画展示「君に聞いてほしい 広島に来た大統領」が催されていました。昨年5月に広島を訪れたオバマ大統領のスピーチにインスピレーションを受け、戦争と核兵器、平和と命という人類普遍のテーマについて描いた原画は、繊細で暖かな色遣いが印象的でした。
二階には、人物画や静物のデッサン、詩、猫の絵、星の王子様の挿絵などが展示されています。暖かなグラーデーションの背景に可愛らしい動物のイラストという組み合わせが葉祥明さんの絵の特長ですが、デッサンなどいつもの作風とはまた違った絵を見ることができ、興味深かったです。

イタリア・ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞経緯歴もあり、絵本の挿絵で有名な方ではありますが、「現在はお仕事のため違った作風の絵(絵本の絵)を描いているけれど、元々は人物画が好きなんだから、本当はもっと人物画を描きたいんだよなあ。」(原文うろ覚え)なんて一言書かれたパネルもありました。どんな偉大な画家でも、仕事で描く絵とプライベートで描きたい絵のテイストが違うことだってあるのですね。妙な親近感を覚えてしまいました。

室内は作品保護のため撮影禁止とのことでした。室内をお見せできないのは残念ですが、『それ自体が一冊の美しい“絵本”』として、画家で詩人のお父さんとお母さん、10才のリラちゃんと5才のクロード君の家族4人が住んでいたという物語をコンセプトに建てられたという(当日いただいたパンフレットより引用)、素敵な洋館の外観をじっくりお楽しみください。


ジェイクのお家もあります。


庭の植物は、どれも丁寧に手入れされています。


こちらの美術館を出て、更に川の上流を目指して進んでいくと紫陽花の有名な明月院というお寺があります。紫陽花の季節は終わってしまったはずですが、近くの民家にはこんな風景も。

都会の美術館は人が多そうだし、チケットを買うのにも一苦労。目玉の絵画は人だかりでちょっとしか見れないんだろうなあ…ハードルが高いなあ…なんて思っている人にも、一旦頭の中から「美術館」に対する固定観念を取り払って、ぜひ友人の家に遊びにいくような気持ちで一度は訪れてほしい素敵な美術館です。

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「北鎌倉 葉祥明美術館」
開館時間:10:00-17:00(年末年始は16:00まで)
休館日:なし(年中無休)
入館料:大人…600円/小・中学生…300円

〒247-0062 神奈川県鎌倉市山ノ内318-4