海外Webデザインの日本語化を考える
私たちGUCIO & Co.では、海外メーカーのお客様から、日本語版Webサイトを作るというご相談をいただくことがあります。
設計をする上でいつも感じているのが、単純に日本語を入れると、ほぼ「うまく行かない」ということです。
英語やドイツ語など、海外の言語に最適化されたデザインを日本語でも使おうとすると、いろいろ問題がでてきます。日本語はアルファベットに比べて四角く高さと幅が均一なため、文字サイズが大きく見えることが一つです。次に、同じ理由で行間を大きめに取らないと、文字がギチギチに並んだ印象になってしまいます。
それ以外にも、言語により同じ意味を示す言葉の長さが異なることも、たとえばボタンやリンクなどでいろいろ問題になってきます。
上にあるのはペンで有名なrOtring社のWebサイト(http://www.rotring.com/jp/)です。一見キレイなのだけれど、よく見るとメニューの文字などが思わぬ場所で改行してしまうなど、日本語としては読みにくいものになってしまっています。下にあるポルシェジャパンのWebサイト(http://www.porsche.com/japan/jp/)でも、全体としてよく調整されているけれど、右上のコンフィギュレーターへのリンクのテキストが改行してしまったことで表示がズレてしまっています。
どちらも、WindowsとMac OSのフォントの違いを意識できていないのかもしれません(Windowsはプロポーショナルフォント、Mac OSは等幅フォントなのでMac OSの方が日本語が長くなる傾向にある)。
読んで欲しい人が同じような人で、同じような使い方をしてくれるとしても、これだけ意識して国際化しなければならないということになりますね。
実際には国によって読んでくれる人が違ったり、一番使われるデバイスが違ったりすると、Webサイトの設計そのものや、コンテンツの書き方もローカルを意識する必要があります。
実際にGUCIO & Co.がお手伝いしたWatchGuard Technologies Japan社のWebサイト(https://www.watchguard.co.jp/)では、商流や意思決定プロセスの国による違いまでを意識して、検討の結果、日本は独自に構成しなおしています。
常に「使う人にとって一番よいもの」にするという発想は、Webサイトの国際化でも同じだと思います。
※rOtring社の日本語Webサイトは、大事な商品写真の上にドーンと「カートに入れる」ボックスが被ってしまい、しかもどうやってもそれを消すことができないという別の問題があるんですが、それはまた別の機会に。。
この記事を書いたひと
Masao Hirasawa(Founder & CEO)
GUCIO Co.を選んでいただくことがお客様のGood Choiceでありたいという願いを込めて、日々真剣にクライアントの課題解決に取り組んでいます。会社やサービスのブランディングメッセージづくりからデジタル時代に合わせたサービス変革のご検討、とりあえず自社のWebサイトをなんとかしたいという方など、ご相談、お問い合わせなどはこちらからお気軽にどうぞ。